播磨の酒 八重垣
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  田中杜氏インタビュー
田中杜氏インタビュー
「蔵の杜氏」編 「故郷の杜氏」編 田中杜氏紹介
本サイトに掲載のインタビューは2002年11月に取材させていただいたものです。
「たくさんの人に支えられて32年。ここで酒づくりをさせてもらってることは本当に幸せです」

取材者なるほど。そういえば杜氏は米にもこだわって、夏に自ら育てた米をお酒にしておられるとお聞きしたんですが。

田中杜氏「箙(えびら)」のことですね。夏の間、温泉町で米を育てるんですよ。兵庫北錦という米なんですけど、まぁ、自分で作った米で酒を作ってみたいと言ったら、会社が「じゃあ」ってことでね。少量ですが販売してみようということになって商品にしたんです。
牛も育ててるんでその糞を肥料にしてね。水は温泉町の山々から出た湧水ですから、綺麗な水ですわ。そうやって、自分で育てた米ですから愛着もありますし、こだわりもでますわな。五反ばかりの田んぼで作った分だけですんで本当に少ししかできないんですけど、一度呑んでもらえたらうれしいです。
本当は湧水も運びたかったんだけど、難しいね。法的にも衛生的にも……検査をしないといかんから。将来的には是非やってみたいとは思ってますけどね。

取材者素材からご自分でというところで、何か心境的に変わられたところってありますか?

田中杜氏つきなみになりますけれども感謝という部分が違ってきますわ。それまで原料を粗末にしてきた覚えはないですけんど、生産者の方々はもちろんのこと、酒づくりが多くの人々に支えられていることを非常に意識するようになりました。
呑んでいただく人、会社の方々、生産者の方とたくさんの人に支えられて32年ここで酒づくりをさせてもらってることは本当に幸せだし、そのぶん責任も重たいと感じてます。

「箙」

取材者
28才の時、その当時珍しい若さで杜氏になられて32年間ヤヱガキ酒造の酒蔵一筋にやってこられたことのメリットっていうのは大きいですか?

田中杜氏そらそうだな。杜氏ってのは酒へのこだわりと技術だけでできるものではないんです。全工程を把握して、材料の調達から準備段階の手配まで確実にやらないと穴を空けるわけにはいかんのです。
そうしたことがスムーズに通るように会社は気を使ってもらっているし、32年ですからね、そこで積み上げているものがあるんですわ、だから本当に酒づくりに集中できる環境を作っていただきました。
先代の社長さんのころからのお付き合いですでなぁ、もう親戚みたいなもんです。杜氏と会社はそういうふうでないとええ酒なんてできやしまへんでな。28才の私を杜氏にして頂いた感謝はもちろんですが32年間酒づくりに集中させていただいたことは感謝しきれませんですわ。

 

インタビューを終えて

先だってもヤヱガキ酒造の地元にある姫路市立林田小学校で酒づくりの講演をされたばかりで、その時の資料も見せていただきながらのお話となりました。取材者はかなり緊張してお伺いしたのですが、とても気さくに酒づくりについて覗うことができました。

インタビューの端々にも感じ取れる昔ながらの職人としてのこだわりとは別に、酒づくりについて多くの人に知ってもらいたいという開かれた姿勢を感じ、小学校での講演も楽しいものであったことが覗い知れました。

話をされている机の上にびっしりと書きこまれた工程管理表がありました。大切な時期に貴重なお時間をいただいた甲斐のある、内容のあるお話をお聞きすることができました。この場をお借りして田中杜氏に感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

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ヤヱガキ酒造株式会社