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  田中杜氏インタビュー
田中杜氏インタビュー
「蔵の杜氏」編 「故郷の杜氏」編 田中杜氏紹介
本サイトに掲載のインタビューは2002年11月に取材させていただいたものです。
「人の肌で温度や感触を確かめながらやったのと 機械が時間を計ってやったのとでは 酒の味がぜんぜんちがってしまいますがな」
取材者そんな中大変な思いをされてまで手作りを残されるこだわりの源は何ですか?  
  田中杜氏酒のもつふくらみのためでしょうな。やはり、微妙な温度調節や麹の様子を見る目というのは機械ではできない。
この写真は蓋麹法という方法で仲仕事という作業をしとる写真ですけどね。もやしを麹にする大切な工程なんですが、この板一枚あたりに1.5kgの米が乗ってます。まぁ、大体1度の仕込みに米300kgつかうとして、これを200枚つくるんですね。まぁタンクが24本ありますからな。大変な作業量です。こんな方法で麹をつくっとるところはほとんどなくなってしまいましたぁわ。ほとんど機械です。
これを触ってね、米に含まれている水分を見るんです。その水分によって、この米の真中に空ける穴の大きさも変えていくんですわ。この重ね順もときどき変えます。上と下じゃ温度が変わってきますでね。一時も目を離さずにこの作業をやるんですな。
蓋麹法
 
取材者
これは、何をチェックをされている写真ですか?

田中杜氏麹がしっかり出来ているかを手触りで判断します。まぁ、それは私の……杜氏の仕事ですな。
いい酒に必要なのは元気な酵母です。それが活動しやすいように指示をしてやるのが杜氏の仕事です。やっぱり酒は生きもんですから、放ってはおかれんのですわ。


麹検査
  取材者すべて杜氏がチェックをするというのは、やはり大変ですよね。

田中杜氏でも人の肌で温度や感触を確かめながらやったのと機械が時間を計ってやったのとでは酒の味がぜんぜんちがってしまいますがな。金賞を取るっていうのは大変なことですでねぇ。機械でやってええ酒をつくろうっていう気がありませんがな。 ほんま、最近はちょっとの差ですでねぇ。みんなその金賞をとるのに必死ですから。

取材者大吟醸「無」が2年連続で全国新酒鑑評会金賞を受賞しているのはそうした努力があってのことなんですね。

全国新酒鑑評会金賞 賞状
  田中杜氏まあ努力とは思ってもしませんが、名だたる酒が落されるコンクールですでねぇ〜、国税局の方が膨大な中から審査されるんですが、そこで「あっこれはいい酒だ」と思ってもらわないといけませんでねぇ〜ちょっとした違いかもしれませんけど大変なことですわな。

取材者そのちょっとした違いが大切ということですが、それを支えている素材についてもお聞きしたいんですが?

田中杜氏それはなんといっても山田錦だな。この米は、兵庫県の加東郡一帯で取れる酒造り好適米とよばれる米なんですわ。全国の酒蔵がうらやむこの米を、まぁ、地元っていうこともあって優先的に分けてもらえるというのは大きい。
大吟醸はそれを極限まで精米した、「はくの白い」米を使っています。これは35%ですから65%は削って捨ててしまうんです。値段も他に比べれば破格ですが、それだけの価値のある米なんです。この米を使っていいかげんな酒をつくることはできませんでね。
まぁ、仕込みのときは気が張りますねぇ。蔵に人が入るのを嫌がるぐらいですわ。社長にも2階へ上がるのは遠慮してもらうぐらいで。


金賞受賞酒 純米大吟醸 極上 「無」
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